ニューヨーク州のフィンガーレイク地方に、最大規模の「ファームサンクチュアリー」があります。
「ファームサンクチュアリー」というのは、保護するための農場という意味です。
ここでは、家畜を保護するために育てています。
育てても食べることは、ありません。
この牧場を運営する団体は、次のように指摘しています。
大量生産が目的の「工業畜産」では、家畜は病気が多く、薬漬けとなっています。
その家畜を人間が食べると、人間にも健康上の問題を起こすことになります。
そして、「工業畜産」は地球環境にも悪影響を与えています。
アメリカでよく食べられている子牛肉についてこのような話があります。
柔らかくて白い肉にするために、子牛を狭い檻につなぎ、草を食べさせずに液状のえさで育てているので、病気が多く、通常の5倍くらい薬を使っている。
フォアグラは、ガチョウに強制的にえさを食べさせ、肝臓を10倍くらいの大きさにしているそうです。
強制的に食べさせる方法は、ガチョウの頭を押さえて、口の中に管のようなものを突っ込んで飲み込ませるというものです。
フォアグラとは、フランス語で「脂肪肝」のことです。
まさに、病気の部位を食べていることになります。
この創設者であるジーン・ボーストン代表は、「家畜福祉は、家畜の健康を左右するだけでなく、食の安全にもつながります。工業畜産は大量の水や土地を必要とするので、環境汚染や地球環境問題にもつながっています。」といいます。
この牧場では、動物たちが幸せそうに暮らしています。
しかし、ここにいる動物たちの過去は、すべて悲惨なものです。
例えば、ある羊は、工業畜産を行う農場の裏庭に瀕死の状態で捨てられていました。
ジーン・ボーストン代表は、「ファームサンクチュアリーを作ったのは、市民と家畜がじかに触れ合える活動拠点になるから。食べ物を変えれば、自分の健康だけでなく、社会を変えられることを人々に気づいてもらいたかったからです。私たちは、菜食主義の生き方を提唱しています。」と言っています。
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